特集 第1回 山田節子さん 「労をいとわず生きる」

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 今回、お話を聞かせていただくのは、株式会社TWIN代表・山田節子企画室主催 山田節子さんです。山田さんは、銀座松屋(東京生活研究所)に席を置き、百貨店戦略全般にわたり提案・推進・教育を40年余続けていらっしゃいます。そんな山田さんと坂本理恵が出会ったのは30年前。坂本理恵が現在のように、作品作りを続けてこれたのも山田さんのアドバイスが大きいそうです。

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-本日は山田さんのお宅に訪問させていただきました。どうぞよろしくお願い致します。
-まず、ご自分のお仕事をどのようにお考えですか? -


「人と人」、「場と場」、「物と物」、それらを組み合わせることで生活提案をしていく仕事です。
具体的には、お店を作ったり、商品を開発したり、企業の戦略を練ったりすることね。
 そこから「暮らしをよりよく楽しむ」、そして「自分達の固有の文化を大切に受け継いでいく」、
さらに、ただ受け継ぐだけではなく、「現代そして未来へいかしていく」ことをしています。

-お仕事をされている印象が強い山田さんです。山田さんにとってお仕事とは?-


 仕事はする・しないではなくすることが当たり前のものなのよね。


-山田さんがご自分の人生で大切にされていること何ですか?-


 それは、労を惜しまずに生きること、そして何事にも楽しみを見つけることかしら?
大変な中にも楽しみをみつける。
そのためには何事も徹底してやることが重要よ。そうすることで、健康に生きることができるの。
さらに、そのためには、日常茶飯が大切だと思っているわ。

~どうやって日本の漆の良さを残していけるのか~


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-坂本理恵も山田さんとお会いできたからこそアクセサリーを作り続けることができたと聞いておりますが。-


 30年来「どうやって日本の漆の良さを残していけるか」について、一緒に考えてきました。高度経済成長の80年以降、人は忙しくなり、年中行事や家庭で食卓に囲むことを忘れてしまったの。結果として、日常の食卓の基本であった漆のお椀が売れなくなってきたのよ。だからね、漆を使ったランチョン盆や12色の色重箱など様々な商品を一緒に開発してきたわ。残念ながら、漆再興の起爆剤とはならなかったけど、良い仕事でした。
 そして、もう1つの道として「漆を残す」ために、当時、理恵さんが自分用に作っていた漆のアクセサリーに可能性があると思ったの。漆のアクセサリーを使ってもらうことで、漆の良さを知ってもらう。
漆から人の気持ちが離れた今、漆を使ってもらうことが重要だと思って、本格的に製作していくことを薦めたの。


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~漆のアクセサリーには冷たさが全くないの~


-そもそも、山田さんにとってアクセサリーとはなんでしょうか。-


 とても良いアクセサリ-があれば、ファッションはシンプルで良いと思うの。そして「つけると背筋がピッとするアクセサリー」、それが良いアクセサリーだと思うわ。 

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-坂本理恵のアクセサリーの着け心地はいかがですか?


 素材が木であること、それゆえの軽さの良さがあるわ。
アクセサリーは通常、金属が多いため、冬はアクセサリーを冷たいと感じることも多いけれど、漆のアクセサリーにはその冷たさが全くないの。
石や金属と異なり、深い色を楽しむことができ、さらに文様などを楽しむことができるのも素敵だわ。
これらのことからも、漆のアクセサリーに可能性があるのでないかと思っています。
なぜなら古代より漆のアクセサリーは、歴史の中に確かに残されているのですから。



~蒔絵のバッグはつかいやすい~


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-さらに、蒔絵のバッグは山田さんのアドバイスから生まれたと聞いています。-


 それは商品戦略の話でもあるのですが、遠目をひくものが必要と思って「蒔絵のバッグも是非やろうよ」と理恵さんに声をかけたの。
それがバッグ製作のきっかけになったそうよ。


-蒔絵のバッグはお仕事用に使っていただいているということですが、使い心地はいかがですか?-


 機能が整理・整頓し易く考えられていて、どこに何があるのかがわかる、抜群のバッグです。
そして、漆で仕上がっているということは、海外ブランドを競って買い求める時代において、自分の生き方としてアイデンティティを示していると思っているわ。
 また、大量生産ではないので、オーダーがきくことも嬉しいことかしら。
さらに、使い込む程に、自分仕様に色合いも表情も変化していくので、その点を楽しめるバッグということかしらね。

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 蒔絵のバッグは使いやすいし、10年来使い込んでも全く悪くならないの。
例えば、このバッグ(まりも:写真上)は、使っていて変わっていく良さを楽しめたわ。それも、自分の好みに合うように変わってくれたの。
今、使い始めたのはこのバッグ(市松:写真右)。割れ目が出て、銀と黒との境目がなじんでぼやけて変化していくのを楽しみながら使っていきたいと思っているの。それが漆ならではの洒落なのかしらね。

-それでは、アクセサリーやバッグを身につける方々にメッセージをお願いします。-


 現在は、品格・品性そして誇りをもって生きることが大切な時代です。
ものを選ぶのは人生を選ぶようなもの。
そういう気持ちを代弁してくれるようなものを選ぶことが大切なのではないかと考えます。
私の場合は、人の造形力が素材の新たな価値を生みだしたクリエーティブなものに対して
非常に興味・魅力を感じています。
そして、自分の目で選んだというプライドが人の誇りを支えると思いますよ。


-最後に一言お願いできますか?-


 今の時代は、大量に安くものが作られ・消費され・捨てられていくばかりです。
しかしながら、現実は、限られた地球資源を大切に使っていかねばならぬ時代です。
だからこそ良いものを選び、大切に使い、使い育てていく、そんな生き方が大切だと思います。


-本日はどうもありがとうございました。-



(聞き手 坂本みゆき、撮影 坂本晴美)


-山田さんの好きなこと,ホッとするひととき-

 まず、仕事すること,そして仕事を作りだすことは好きね。そして庭仕事も好き。疲れがとれるの。植物に触れていると季節の変化を感じることができるわ。植物は手入れをすれば必ず応えてくれる。それが嬉しいし、また花が咲く時を想像することも楽しんでいるわ。
 年を重ね、最近は、こたつも好き。良い文化だと思うの。周りが寒くて、自分だけが暖かいという暖のとり方は格別よ(笑)。こたつは忘れちゃいけない暖の取り方だと思うわ。日本人が大切にしてきた床の間、たたみそしてこたつといった『和の座』という暮らしの豊かさをどうやって受け継ぎ、さらにどのようにインターナショナルにアウトプットしていけるのかについて考えていくことを謎かけのように楽しんでいるわ。


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↑山田邸のお庭には伊藤慶二さんの作品も。

→こたつの天板も作家さんの手によるこだわりのあるものです。

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インタビューの合間をぬって,私達にもおいしいお食事を作ってくださいました。お食事もほっとするひとときだそうです。

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←手づくりのかぶらずしは,お知り合いの方が作って送ってくださるそうです。

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→ランチョンマットは,裂織の作家さんのもので丈夫だとのことです。

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-山田さんのお道具達-


私が毎年更新しているもので住所録があるの。そこには,名前と住所のほかに産地も書いてあるわ。これはできるだけ薄い紙で作ってもらっているの。アシスタントが作るのよ。その住所録の人達を眺めながら,次はこの人にこの作家さんを紹介しようとか思っているの。この一覧を見ている間にイメージが湧き上がることもあるわ。中には亡くなられた方もいるけど,消しかねる方もいるのよね・・。それも大切なのだわ。「その手帳拾ったひとはラッキーですね。」って云われた編集の人がいたわね(笑)。

(まさに人と人,場と場,ものとものを繋げる山田さんのお仕事道具でした。)

<山田節子さんのプロフィール>

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山田節子
株式会社 TWIN代表・山田節子企画室主宰

1966年  多摩美術大学卒業
1967年  デザイン工房「フリュード」設立参画
1974年  山田節子事務所設立
1988年  株式会社TWIN設立 代表就任

商品企画・店舗企画・展覧会企画・企業戦略立案推進などを通じ、
ライフスタイル提案として、「もの・人・場 」のプロデュースを手掛ける。


その活動の場は、
 1976年~
        < 銀座松屋・そのシンクタンクタンクである 東京生活究所>に席を置
         百貨店戦略全般にわたり提案・推進・教育など40年余続けている。

 1999年~
        < 会津 アルテマイスター・そのアンテナショップであるギャラリー厨子屋>
         の企業戦略企画推進及び社員教育全般にわたる。 

 2002年~
         < 西麻布ルベインのミタテショップ・ギャラリー ・計画から参画し
         ディレクターとして社員の育成・展覧会企画推進・ショップ関連商品戦 
         略など手掛けている。


他に 地場産業の指導育成、教育現場、各種審査委員など多岐にわたり,多くの展覧会企画などを通し、クリエーターの育成などに積極的に関わる。



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sakamoto_collection • Instagram 会津の小さなお店「坂本これくしょん」 「写真」を撮影・シェアできるSNSサービス

product catalog 20170201 30周年をむかえて、坂本これくしょんの商品カタログを作成しました。30年前のスタートから今まで「つねに自分が身につけたいもの」を心に思い描いてコレクションを作り続けてきました。今後も皆様の毎日を輝かせることができるような、明るくて楽しいコレクションが生まれますよう未来につなげていければと思っております。